ロープウェーが紡ぐ博多の未来
ロープウェーといえば観光地。
しかし、日本で知られるロープウェーはアウトドアライクな観光地に設置されていることが一般的だ。そんなロープウェー、なんと都市である博多に登場するというのだから、福岡の再開発はサプライズの連続である。
日本初をやってのけることの意味
都市開発というものはいつの時代もリスクと隣合わせであるものだ。結果として経済や地域住民に好影響を必ず与えるかといえば、そうではなかったケースもある。
だからこそ人はリスクを恐れて前例を好む。
しかし今回の、JR博多駅、博多港ウォーターフロントの2拠点を繋ぐ構想の都市型ロープウェーはなんと「日本初」だ。
普通に考えれば、都市にロープウェーを設けるという時点で成功するわけがないと考える派が大多数だろう。とかく人は、分からないことを否定するものである。
しかし福岡市の考えは真逆だ。
必ず実現したい方向で話が進んでいる以上は、注目を浴びる為のただの話題や夢物語ではなくなってきた。
未来型都市のパイオニアとなるか
ロープウェーは、非常に低コストで大量の人を運ぶことができる、実のところは都市でも万能に活躍できる交通手段だ。
なぜなら、コスト、利便性、観光や物流といったインフラとの相性も抜群で、こうしたロープウェーが果たす機能を知れば決して否定はできない交通手段として認めざるを得なくなる。
博多発の都市型ロープウェーの成功事例は、前例として全国に知れ渡る未来があっておかしくないのである。
世界に見る都市型ロープウェーの成功事例
日本以外の国では、実は都市型ロープウェーは珍しいものではない。
・エミレーツ・エア・ライン(ロンドン)
・メトロケーブル(コロンビア)
・ルーズベルト・アイランド・トラムウェイ(ニューヨーク)
上記は全て「都市」にあるロープウェーだ。
福岡の再開発においては、複合施設も交通手段も、とかく海外の成功事例を参考にしていると思われる構想が散見される。つまり、思いつきで進めているわけではなく根拠ありきなのだ。訪日外国人観光客が増える一方の状況下で、海外の先進的なアイデアを取り入れないことは、「おもてなし」を重んじるはずの日本にとって、訪日外国人観光客に対してのおもてなし不足といっても過言ではない。日本の古きよきものを残しつつも、後れをとっていてはならないのである。
来たる東京オリンピックへ向けて
2020年東京オリンピックは、日本全国を巻き込む大イベントである。東京だけが全てのおもてなしを担うわけではないことを踏まえると、福岡のこのフットワークの軽い開発活動は刮目して見るべきことだ。
各地域の再開発が数年後にどう評価されるか、それは今この時の経済活動にかかっている。