博多地区

巨大な博多織に込められた、人々の日常を守りたい想いと防災強化

新複合ビルは「デザインから博多」。JR九州の想い

JR九州は、JR博多駅、キャナルシティ博多に近しい立地に新たに複合ビルの建設計画を発表した。

構想を見てまず最初に目を引くのは、ファサードをはじめとした外観だ。なんと「博多織」である。実際に完成すれば、分かる人は言われなくとも気付くほどにリアルに表現されるのではないだろうか。空から浴びる光の濃淡で表情を変えるその姿は、まさに博多織そのものに見えるはずだ。

今回のJR九州の建設計画は、大胆かつ、博多への想いの強さを全面に打ち出している感がある。

巨大な博多織に包まれた中は博多の和のもてなしの宝庫

本複合ビルはRWC(ラグビーワールドカップ)2019年日本大会開催に合わせて開業を目指しているとのこと。中核にはハイグレードホテルが入ることになっている。

外観は勿論のこと、ビル全体的に和のコンセプトを強く主張した感があり、内装も博多織や博多祇園山笠を思わせるデザインを積極的に取り入れ、上層階のラウンジや大浴場サウナ、フィットネスに至るまで、博多の和を感じてもらえる設計とデザインにする計画だ。

JR九州といえば、界隈では「ホテルブラッサム」が有名である。同社としては今回の複合ビルは、ブラッサムよりも上位に位置付けたいとのこと。博多の歴史と伝統をビル全体で表現しているあたり、納得の格付けである。

地域を守る防災の要としても機能

福岡市の再開発計画全体像の中で常に注目させれている要素の一つが「防災」だ。本複合ビル以外の計画を一巡しても周知の通りで、徹底した防災への対策が施されている。普段は人々の笑顔で溢れ返る華やかな風景を演出しながらも、同時に、有事の際の対策が至る所に施されている。

今回の複合ビルも防災意識がそのまま計画に反映されており、防災倉庫あり、備蓄食料ありで、有事の際に人々を受け入れる体制を常に整えておくとのこと。

ここで、防災目線で少し周辺を見渡してみよう。

・博多駅から扇状に伸びる街道
・ホテル群
・区役所、消防署、警察署
・公園
・コンビニ

人々が避難移動する動線、ホテル同士の連携、役所や消防警察による避難誘導、広域避難場所、飲料食料の供給。あらゆる条件が揃っている。

そして、今回のこの複合ビルだ。

近接のキャナルシティ博多も頼もしい限りだが、本複合ビルに関しては、博多を知らない人々にとっても分かりやすい。「何かあったらあのデザインのビルの麓に」と言っておけば良いレベルにシンボルとなり得る。

本より、JR九州としては「博多の街のランドマークになれば」と銘打っているほどだ。つまりは誰にでも分かる建物ということである。

災害は無いに越したことはないが、万が一の際は、人々は本複合ビルの存在の頼もしさをあらためて実感するのかもしれない。

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