積水・西鉄、優先交渉権者の座に
天神の西側の重要起点。
予てより憶測が飛び交っていた天神ビッグバンの一環である「大名小跡地再開発」(福岡市中央区)の優先交渉権者がついに決定した。
積水ハウスと西日本鉄道だ。加えて、三菱地所、西部ガスも名を連ねている。
歴史ある企業のノウハウに高まる期待
天神ビッグバンは福岡超一等地を中心とした、福岡の未来を占う重要な再開発プロジェクトであることは今さら言わずもがな。その再開発をおいそれと新興企業に一任するわけにはいかないということは、大多数が考えて当然のことではないだろうか。
そして結果、蓋を開けてみれば信頼と実績の一流企業、積水・西鉄・三菱・西部ガスが顔を並べた。市民目線でもまずは一安心の材料といえる。
リッツ・カールトンの名すら挙がるスケール
天神地区再開発にあたっては予てより高級ホテルという言葉が頻出している。それほどに誘致に大きな力を入れていることが伺える。では高級ホテルならどこでもよいかと言われればそうではない。再開発に相応しい強力なインパクトが必要だ。
そこでまず、福岡市は外資系企業に目を向けた。福岡市には外資の高級ホテルが極端に不足しているからだ。この際、積水から出た提案が「超」の付く高級ホテル「ザ・リッツ・カールトン」だった。米マリオット・インターナショナル社が世界に誇る一流の中の一流であるリッツカールトンをご指名とは、まさにビッグバン級の案である。ちなみに、福岡の地にリッツカールトンが完成すれば、日本国内では7ケ所目のリッツ誕生ということになる。
写真 ザ・リッツ・カールトン大阪
再開発渦中に垣間見る「西鉄プライド」
上記のリッツ・カールトン誘致とは別件で、西鉄はリッツに近しい立地に西鉄グランドホテルを運営している。また、新規の土地も取得済みで、「福岡の開発は今も昔もこれからも西鉄が牽引する」という公言は有言実行、実に頼もしい限りである。加えて、同社からの発表では「近しい場所に複数のホテルが存在しても棲み分けできる」とのこと。
解釈としては、寧ろ地域住民や来訪者にとっては選択肢があることはより魅力的で、ホテルの数だけ人を許容できるということも想定すれば、シナジー効果が期待できる、とったところだろう。
このことからも、同社のプライドがただの競争意識からくるものではないことが分かる。再開発にあたって最高のパフォーマンスを実現することが責務であるという同社の熱き志だ。
また、天神ビッグバンではグローバル企業の積極的な誘致も計画に含まれている。「高級ホテルが建ち並び、世界を動かすグローバル企業が集結する」ことになる天神の地は、福岡のシビックプライドにも良い刺激を与えることになりそうだ。
ここにも高級なホテルが出来上がると、人の通りが多くなり天神を中心に西通り、大名が今より活気づくと思われる!